20120829

MASCHINE


Native Instrumentsから新製品"MASCHINE MKII"アナウンスされた。
発売以降、記録的なセールスを続けてきたMASCHINEの後継機種となる。
筐体のサイズやボタンレイアウトに大幅な変更は見られないが、明確なメジャーアップデートである。
(同時に弟分であるMASCHINE MIKROの後継も発表されている)
細かな情報は既にICON(ナフリスペクト)に纏まっているので、割愛する。

まずKONTROL F1に搭載されていたマルチカラーLEDが、MASCHINE MK2の16PADSにも搭載されており目を引く。新OSは、そのマルチカラーを生かした仕様になる模様。

新OSの機能で着目すべきは、本体でタイムストレッチ / ピッチシフトを可能とした点。
旧来のサンプリングスタイルで楽曲制作を行うユーザーにとっては、本機能の欠落が現行モデル唯一の欠点であったので、有り難いアップデートとして受け入れられるに違いない。

さらにDubstepのシグネチャーサウンドを底支えするソフトウェアシンセサイザー「MASSIVE」のフルバージョンが添付する。ご存知Skrillexも使用を公言し、多くのフォロアーを生んでいる本シンセが無料で添付することに歓喜する人は少なくないだろう。

筐体は白と黒の2色展開(ちなみに本日はMichael Jacksonの誕生日である)
それに加え、5色展開のカスタマイズキット(トップパネルとノブのセット)が各$79で登場する。
このように自分の機材をPimpしたいという欲望に駆られる人々の懐に刺さり込むのだ。



デトヲタにはJeremy Ellisと言っても通じないかもしれないが、Ayroと言ったらピンとくるだろう。
だが既に彼はデトヲタの回顧とは遠い次元で、新たな人生を歩み始めている。
MASCHINEのオフィシャルムービーに複数回登場している"MASCHINEマスター"として、超絶な指テクを駆使して観衆を魅了している。

新製品発表と同時公開されたこのムービーでは、Kraftwerkを想起させるサウンドをJeremyが奏でる。
まるでドイツ発・電子音楽の巨匠であるKreftwerkを讃えながら、Native Instrumentsが自分たちの姿を投影しているかのようだ(Native Instrumentsはベルリンの会社)
背後に設置された 16の立方体を組み合わせたモニュメントは、プロジェクションマッピングによってMASCHINEの16PADSと連携しながら照らされる。

Jeremyのパフォーマンスも終わり、NIのロゴも出終わった後に意味深に配置されたシークエンスに着目しよう。Jeremyが去ったあとの仄暗い工場をカメラが映す。明け方だろうか、冷ややかな空気が伝わってくる中、カメラは工場のルーフトップを舐めるように映しながら、次に"朽ち果てた塔"を捉える。その形状は、疑いの余地もない程に「バベルの塔」そのものである。そして、その朽ち果てた塔にタギングされているのが「PROST」の文字・・・ドイツ語で「乾杯」を意味している。

これは明確な声明である。